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ジーランディアとは何か ニュージーランドの海底に広がる大陸

公開日

ニュージーランドは二つの大きな島を中心とする国ですが、その周囲の海底まで含めると、広い大陸地殻の一部として捉えられます。ジーランディアと呼ばれる、大半が海面下にある地質学的な大陸です。

「海底の大陸」と聞くと、かつて人の住んでいた巨大な陸地が、ある日突然沈んだ物語を想像するかもしれません。しかしジーランディアの研究は、失われた文明を探す話ではありません。岩石、地殻の厚さ、海底地形から、大陸とは何かを問い直す地球科学です。

海岸線と、大陸地殻の縁は同じではない

一般的な世界地図は、海面より上にある土地を陸、下にある場所を海として塗り分けます。この色分けは暮らしや航海には便利ですが、地下の岩盤の種類までは示していません。

大陸の縁は、海岸線で突然終わるとは限りません。海の下にも大陸棚が続き、その土台が大陸地殻である場所があります。ジーランディアでは、この水没している範囲が特に広く、海上の島だけを見れば、全体のごく一部しか分からないのです。

研究で示された面積は約490万平方キロメートル。ニュージーランドやニューカレドニアなどの陸地を含みますが、その約95%は海面下です。資料によって94%や95%と表現されるのは概数の扱いによるもので、「ほぼ全体が海中にある」という規模が重要になります。

同じ海域を、異なる境界で区分
海岸線今の海面と陸地の境界
大陸地殻の範囲岩石と地下構造が連続する範囲。海中にも続く
プレート境界岩盤が異なる動きをする境目。大陸内も通る

ジーランディアの大半は海中ですが、その大陸地殻の中をプレート境界が通っています。

海底の高さだけでなく、岩石と地殻の厚さを調べる理由

海底に高まりがあるだけなら、海底火山や溶岩の厚い台地でも説明できる場合があります。したがって、浅い海底を見つけただけで、そこを大陸と呼べるわけではありません。

ジーランディアについて2017年の研究が示したのは、周囲の深海底に比べた高さ、大陸に特徴的な多様な岩石、地殻の厚さ、まとまりを持つ広い範囲などを組み合わせた証拠でした。花崗岩や堆積岩・変成岩を含む地質のつながりが、単なる島々の寄せ集めではないという説明を支えています。

一般に海洋地殻は大陸地殻より薄く、岩石の構成も異なります。ただし、ジーランディアの大陸地殻は広い範囲で薄くなっているため、厚さだけの判定では十分ではありません。地殻の組成と構造、その広がりを合わせて判断する必要があるのです。

引き延ばされて薄くなった、ゴンドワナの一部

ジーランディアは、かつて巨大大陸ゴンドワナの一部でした。そこからオーストラリアや南極側とのつながりを失う過程で、地殻が引き延ばされ、薄くなっていきます。

大陸地殻は、密度の高い下の物質の上で、厚さに応じた高さを保っています。広い範囲で薄くなれば、地表の高さも低くなり、海に覆われやすくなります。空洞へ大陸全体が落ち込んだ、という仕組みではありません。

分裂に伴う火成活動や、その後のプレート運動もあり、各部分は同じ経過をたどってはいません。2023年の研究は、約1億〜6000万年前の活動に関係する広い火山岩の分布などを示し、大陸が分かれる際の変化を復元しています。

「大陸」と「プレート」を一対一にできない例

ジーランディアは、一枚の独立した「ジーランディアプレート」にそのまま載っているわけではありません。ニュージーランド付近ではオーストラリアプレートと太平洋プレートが接し、大陸地殻のまとまりの中をプレート境界が通っています。

大陸は地殻の性質や広がりに着目した区分であり、プレートは硬い岩盤がまとまって動く単位です。同じ大陸の中を境界が通ることも、一枚のプレートに大陸と海洋の両方が含まれることもあります。

この違いを混同すると、大陸が見つかったのでプレートの枚数も一つ増えた、という誤解につながります。ジーランディアの研究が見直したのは、主に地殻のまとまりの捉え方です。

2017年の提唱と、2023年の海底地質図

ジーランディアという名称は1995年に提案されており、2017年に海底から突然見つかった新しい土地ではありません。長年の調査で集められた証拠を、大陸としての条件に沿ってまとめた論文が、2017年に大きく注目されました。

その後、海底の岩石を採取し、年代や化学的な性質、海底の磁気などを調べる研究が進みました。2023年の公表は、北部の地質を加え、大陸全体の大まかな地質構造を海中の縁までつなげた点に意義があります。

ただし、「地図が完成した」といっても、海底のすべてを同じ密度で調べ、あらゆる小さな構造まで確定したという意味ではありません。採取地点や測定結果の間を、地質学的に解釈して結ぶ作業が含まれます。研究者自身も、広域の骨格が分かった後になお、年代や形成過程を調べる課題が残るとしています。

学校の大陸区分が一斉に変わらない理由

世界をいくつの大陸に分けるかは、学校教育や文化的な慣習によっても異なります。地表の陸地の連続性を重視する区分と、海底を含む地殻の特徴を重視する区分では、同じ答えになるとは限りません。

GNSの解説も、大陸を正式に認定する単一の機関があるわけではなく、研究で使われ、引用される中で考え方が広がると説明しています。「第八の大陸」という呼び方は、ある大陸の数え方を前提とした表現です。

ジーランディアの面白さは、大陸名を一つ多く暗記できることではありません。海と陸の色分けでは隠れていた地質の連続性が、岩石や地下構造から浮かび上がったことです。ニュージーランドの海岸線は国土の形を示しますが、その下に続く大陸の輪郭までは描いていないのです。

参考資料

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