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グレートプレーンズはなぜ広く平らなのか 内海の跡と山から届いた土砂

公開日

ロッキー山脈の東には、地平線まで続くようなグレートプレーンズが広がっています。これほど広い土地が平らなら、かつて海底だったのではないか。そう考えると、説明がつきそうです。

実際、この地域の地下には、古い海で積もった地層があります。しかし、現在の平原ができた理由は「海が引いたから」だけではありません。山から運ばれた土砂が古い起伏を埋め、風や氷河が表層を変え、その後の川が再び谷を刻みました。平らに見える土地にも、積み重ねと削り取りの長い履歴があるのです。

水平ではなく、東へ緩やかに下る大きな斜面

グレートプレーンズは、大陸の中央部にある平原のうち、ロッキー山脈の東側に接する広い地域を指します。全体としては西が高く、東へ緩やかに低くなっています。海面近くの低地が果てしなく広がる、という地形ではありません。

道路の近くでは傾斜が小さく見えても、数百キロメートル離れた場所とは標高が違います。平原という言葉は、局所的な凹凸が山地ほど大きくないことを表すのであって、標高ゼロの水平面を意味しないのです。

地域の中には丘陵も、峡谷も、孤立した山地もあります。北部と南部で地表を覆う堆積物が違うため、グレートプレーンズ全体を一種類の地層で説明することもできません。

北米大陸を二分した、白亜紀の内海

白亜紀には、現在の北米大陸の中央を南北に延びる浅い海がありました。西部内陸海と呼ばれるこの海には、細かな泥や海の生物の遺骸などが堆積しました。海岸の位置は時間とともに変わり、同じ場所でも海の地層と陸の地層が重なっています。

サウスダコタ州のバッドランズに見られるピエール頁岩は、この海の泥に由来する地層です。その上には、海が去った後の風化や、陸上の堆積環境を示す層が続きます。平原の地下の歴史は、一度だけ海が満ちて引いたという単純な順序ではありません。

この古い海の堆積物が広く存在することと、現在の地表が平らであることの間には、その後の長い過程が挟まっています。海底だった証拠は、地表の見た目ではなく、地層や化石から確かめられるのです。

山が高くなるほど、ふもとへ増える土砂

西側でロッキー山脈が隆起すると、川がそこを削って砂や礫を東へ運びました。山から出た川は広い場所へ流れ、流路を変えながら土砂を残します。古い谷を埋め、隣の流路の堆積物と重なることで、広い面がつくられていきました。

平原全体が、一つの巨大な川の氾濫でできたわけではありません。異なる時期の川が運んだ砂礫に、風で運ばれた細かな粒子や、火山灰、地表で発達した土壌などが重なりました。場所によって残った層の厚さや内容は異なります。

平原の表面と、堆積物の底面は同じ形ではない
上段は西の山から東へ土砂が運ばれ、山麓に広がる断面。下段は同じ堆積面の下で、古い谷を埋めた部分ほど堆積物が厚くなる関係を拡大したもの。

堆積の仕組みを示す模式断面です。グレートプレーンズ全域の実測断面ではなく、地層の厚さと傾斜を強調しています。風成堆積物・氷河堆積物・後の侵食は省略しています。

古い谷を埋めた、オガララ層の複雑な中身

ハイプレーンズと呼ばれる高い平原の地下で重要なのが、オガララ層です。おおむね中新世、約1800万〜550万年前にかけての堆積物を含み、山からの川などが運んだ砂・礫・泥からなります。

2016年のカンザス地質調査所などによる野外案内と研究の整理では、掘削コアや露頭から、川の堆積だけでなく風成堆積物や土壌の発達も示されています。断面を見れば砂だけの均一な層ではなく、異なる環境の記録が縦にも横にも変化しているのです。

低かった古い谷ほど厚く埋まることがあるため、現在の地表が穏やかでも、その下の地層の底面まで平らとは限りません。地上の景色からは見えない凹凸が、地下には残っています。

地下水を蓄えるのは、空洞ではなく粒の隙間

オガララ層などの透水性の高い堆積物は、ハイプレーンズ帯水層の重要な部分です。帯水層と聞くと、地下に大きな湖があるように思えるかもしれません。実際には、主に砂や礫の粒と粒の隙間が水を蓄えています。

水を通しやすい砂礫と、通しにくい細粒の層がどこにあるかで、地下水の動きも変わります。平原をつくった川の古い流路は、地形の成り立ちだけでなく、地下の水の通り道にも関係するわけです。

平原を切り開くバッドランズと、北部の氷河堆積物

積もる土砂が減ったり、川が谷を掘り込むようになったりすると、かつて広い面をつくった堆積物が再び削られます。バッドランズのような細かな谷と急斜面は、その過程を間近に見られる場所です。平原の中の険しい地形は、「平原だから侵食が弱い」という考えには収まりません。

北部の一部を覆うのは、大陸氷床が運んだ堆積物です。南の地域には、その説明をそのまま当てはめられません。風や河川の作用の比重が変わるため、同じグレートプレーンズでも、最も新しい表層の歴史は場所ごとに異なります。

グレートプレーンズの穏やかな地平線は、海が残した地層の上に、山を削った土砂が広がり、さらに削り直された結果です。山地と平原は対照的な景色ですが、その二つは土砂の移動によってつながっています。

参考資料

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