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アルティプラノはなぜ高い場所で平らなのか 二つの山並みに挟まれた高原

公開日

高い山へ行けば、尖った峰と深い谷が続く。そんな想像をしていると、アンデスのアルティプラノは不思議な場所に見えるでしょう。海抜3,000メートル台後半の高さに、湖や塩の平原を含む広い大地が横たわっています。

この高原を理解する鍵は、「高くなった理由」と「平らになった理由」を分けることです。地殻変動が地域全体を高い位置へ持ち上げる一方、山々に囲まれた盆地には土砂がたまり、起伏の小さい面が広がりました。山の頂上を一枚の板のように削りそろえた場所ではありません。

二つの山系の間にある、高い盆地

アルティプラノは、ペルー南部からボリビアにかけて広がるアンデスの高原です。西側の西部山系と、東側の東部山系に挟まれ、その間に盆地が連なっています。チチカカ湖やウユニ塩湖も、この高い地域の一部でしょう。

周囲の山から見れば低い場所でも、海面から測れば十分に高い。この二つは両立します。盆地という言葉は海抜の低さではなく、周囲に対してくぼんでいることを表すからです。

ただし、高原全域がウユニ塩湖のように滑らかなわけではありません。内部には山や丘、川が刻んだ谷、火山性の地形もあります。アルティプラノの「平らさ」は、周囲の険しい山系と比べた、広域の地形の特徴なのです。

標高の土台になる、短縮して厚くなった地殻

中央アンデスでは、海洋プレートの沈み込みと関連して、大陸側の地殻が長い時間をかけて縮められてきました。地層が折れ曲がり、断層に沿って重なることで、水平方向の幅が減る一方、地下の厚みが増したのです。

比較的軽い大陸地殻が厚くなると、その密度と周囲の岩石とのつり合いに応じて、地表の位置も高くなります。高原の高さを支えるのは、表面へ積み上がった砂や泥だけではありません。その下の深い構造まで関わっています。

アルティプラノの研究では、地殻の短縮が主要な形成要因として長く検討されてきました。一方、厚みが増した時期と、地表の高さが増した時期とが、すべての場所で一致するわけではありません。高原の成長は、一度の隆起で終わる出来事ではなかったのです。

山から運ばれる土砂と、盆地を埋める地層

高くなった山は、雨や川、斜面の崩壊などによって削られ、その岩片や砂、泥が低い盆地へ運ばれます。周囲の山が材料を供給し、内側の盆地が受け皿になる関係です。

土砂は、最初から平らな床の上にだけ積もるのではありません。凹凸を埋め、川の流路を変えながら堆積が続けば、広い範囲で起伏が小さくなります。湖が広がる時期には、その底へ細かな堆積物もたまったことでしょう。

1997年のボリビアの高原形成研究は、初期の東西の山系の間にできた堆積盆地を、アルティプラノの出発点として論じています。ただし、現在の地層がすべて水平という意味ではありません。たまった地層も後の断層運動や褶曲を受け、一部では再び削られています。

高い盆地と、その内部を埋める土砂
上段は二つの山系に挟まれた高原の盆地を、海面の概念的基準線とともに示す。下段は周囲から土砂が入って盆地の起伏を埋める概念断面。

特定地点の実測断面ではありません。海面の線は高度の基準であり、地下に海があるという意味ではありません。地殻の厚まりや深部の運動は省略しています。下段は堆積の働きを取り出した図で、現在の地層がすべて水平という意味ではありません。

海へ流れ出せない水が残す、湖と塩の平原

アルティプラノの広い範囲では、水が太平洋や大西洋まで流れ出ず、内側の盆地へ集まります。このように流域の外へ、最終的には海へ水を送り出さない仕組みが内陸流域です。内部に川がない、という意味ではありません。

水が運ぶのは、砂や泥だけではありません。溶けた成分も盆地へ集まり、蒸発によって水が減った後には塩類が残ることがあります。川がつくった面、かつての湖底、現在の塩原という異なる地形が、高原の平坦な景観を構成しているのです。

湖や塩原の違いは、水が集まる量と失われる量にも左右されます。湿潤な時期には大きな湖が広がり、乾燥が強まれば縮小するという変化もありました。今の景観だけを見て、高原が最初から乾いた平原だったとは考えられません。

地下の動きと土砂の来歴から探る、高原の成長

盆地の砂は、周囲のどの山が削られていたかを調べる手がかりです。砂に含まれる鉱物の年代などを、周囲の岩体の特徴と照合し、その供給源を推定します。地表の高さを測るだけでは得られない、山と盆地を結ぶ情報でしょう。

2023年の研究では、東部山系に由来する堆積物がアルティプラノの地層に現れる時期に、南北でずれがあると報告されました。著者らは、沈み込む岩板の傾きの変化とその移動が、盆地や火山活動の変化に関わったというモデルを提示しています。

これは、高原全体が同じ瞬間に、同じ速さで持ち上がったという説明ではありません。場所ごとに異なる地層の記録を突き合わせ、地下で起きた変化を復元する試みです。岩板の具体的な履歴には検討が続いており、提案されたモデルと直接観察された堆積物の特徴は区別する必要があります。

山の頂上ではなく、山地の中に残された広い面

尖った峰の高さは、海面からの標高だけでなく、近くの谷底からどれほど突き出しているかでも印象が変わります。アルティプラノでは地面そのものがすでに高いため、遠くの峰へ登らなくても、高山に相当する高さに立っているのです。

一方、地殻を厚くする作用だけでは、塩原の細かな平坦さまでは説明できません。逆に、盆地を土砂が埋める作用だけでも、高原全体の標高は説明できないでしょう。

深い地下で地域を高くする働きと、地表で凹凸を埋める働き。その両方が重なった結果、アンデスには険しい山々だけでなく、高い場所に広い盆地が残りました。アルティプラノは山づくりの例外ではなく、その過程が別の形で表れた景観なのです。

参考資料

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