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ギアナ高地のテーブルマウンテンはどうできたのか テプイに残る古い地層

公開日

森や草原の上に、切り立った壁を持つ巨大な台がそびえる。南アメリカ北部のギアナ高地にある「テプイ」は、山頂を平らに切り落としたような姿で知られています。ロライマ山やアウヤンテプイは、その代表です。

この形は、火山の頂上が爆発で失われた跡ではありません。厚い砂岩などからなる岩盤が長い年月をかけて削られ、残った部分が台地状の山として際立ったものです。ただし、硬い岩が雨に抵抗した、という一言だけでは、山の内部に広がる洞窟や深い割れ目まで説明できません。

かつての砂がつくった、厚い岩の積み重なり

テプイをつくる主要な岩石は、石英を多く含む砂岩や、それが硬く締まった岩石です。ロライマ超層群と呼ばれる古い地層に属し、もとは砂などの粒が運ばれ、積もってできました。いま空高く見える岩壁にも、堆積した層の重なりが残っています。

砂岩の粒を結び付ける物質にも石英が含まれ、岩全体は風化に強い性質を持っています。しかし、岩質はどこでも一様ではありません。粒の固まり方、隙間の量、粘土質の鉱物、層の境界などの差が、水の入り方や崩れ方を変えるのです。

平らな山頂を残しながら後退する崖

広く分布していた地層が隆起し、川や雨、風化の働きを受けると、削られやすい場所から谷が広がります。岩盤の割れ目に沿った侵食や崩落が進めば、大きな台地も次第に区切られていきます。

上部の比較的強い岩盤が残り、周囲や下部が失われると、平坦面と急な壁の組み合わせが目立つようになります。テーブル状なのは、山頂だけが新しく水平に削られたからではありません。地層の配置を受け継ぐ上面と、後退を続ける縁の崖が、一緒に現在の形をつくっています。

岩石ができた時代と、台地が孤立した時代は別
上段は割れ目のある広い堆積岩の岩盤、下段は周囲の侵食によって平らな頂部をもつ台地が残った模式図。

侵食による台地の孤立を単純化した図で、特定のテプイの過去を復元したものではありません。隆起や洞窟の発達、岩石の抵抗性の違いは省略しています。上下の間隔は一定の年数を表していません。

岩石の年齢と、山の形の年齢は別

テプイの岩石には、十数億年以上前にさかのぼるものがあります。ここから「現在の山が、その姿のまま十数億年間残っていた」と考えると、二つの年齢を混同してしまいます。

岩石の形成後に起きたのは、隆起、埋没、侵食、谷の拡大といった変化でした。崖の材料が古くても、その崖面が地表へ現れた時期まで同じとは限りません。テプイを古い地球の記録と呼べる一方、現在の景観は、古い材料に後の地質作用が加わった結果なのです。

石灰岩ではない山に、洞窟ができる仕組み

洞窟というと、水に溶けやすい石灰岩の地形が思い浮かぶかもしれません。ところが、石英に富むテプイにも大きな地下空間があります。石英は簡単に溶ける鉱物ではないものの、水の作用がまったく及ばないわけではありません。

2014年の研究では、洞窟内の岩石を顕微鏡などで調べ、石英の粒の境界で溶解が進んだ痕跡が報告されました。粒同士の結び付きが弱まると、岩が砂粒へほぐれ、それを流れる水が運び去ります。岩石全体を一度に溶かすのではなく、結合を弱めて粒を取り除く働きが重要だという説明です。

地下で進む変化と、地表の大きな割れ目

別の水質・地形研究では、アウヤン、ロライマ、チマンタの各山塊で、地表水と地下水に含まれる成分が調べられています。その結果は、地下での風化や洞窟の拡大、天井の崩落が、深い割れ目などの地形に関わることを示しています。

ただし、すべてのテプイや洞窟が同じ割合の溶解と侵食でできるわけではありません。層ごとの固まり方や割れ目の配置が違うため、もともと固結の弱い砂が流失する過程を重視した研究もあります。共通するのは、外側から雨が表面を削るだけでなく、内部に入った水も山の形を変えるという点です。

平らに見える頂上の、複雑な小地形

遠景では一枚のテーブルに見えても、頂上は均一な平面ではありません。岩の凹凸、窪地、流路、深い裂け目があり、岩質と水の働きに応じた細かな地形が刻まれています。2019年のアコパン・テプイの研究では、砂が斜めに積もった層と別の層との硬さの違いが、岩陰や小洞窟の形成に関わると報告されました。

周囲の低地から隔てられた頂上は、気温や土壌、水の条件も異なり、特徴的な生物の生息地となっています。テプイは、硬い岩が何も変わらずに残った記念碑ではありません。古い地層と、現在も働く水や風化の組み合わせが生む地形なのです。

参考資料

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