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リオデジャネイロにはなぜ急な岩山が並ぶのか 古い岩盤と湾の地形

公開日

海辺の市街地から、灰色の岩山が急に立ち上がる。リオデジャネイロの景観を特徴づけるのは、砂浜と湾だけでなく、ポン・ヂ・アスーカルやコルコバードのような、岩盤を露出させた山々です。丸みのある独特の形は、火山が噴き出した山のようにも見えます。

しかし、これらの代表的な岩山は、火口をもつ火山ではありません。古い花崗岩や片麻岩を含む岩盤が、変形、風化、侵食を受けて、現在の形へ変わってきました。同じ地域の中でも、岩石の種類と割れ方の違いが、山と谷を分けています。

地下でできた岩石と、地表に現れた岩山

花崗岩は、地下のマグマがゆっくり冷えて固まった岩石です。片麻岩は、高温や圧力のもとで鉱物の並びなどが変化した変成岩で、元の岩石は一種類とは限りません。溶岩を地表へ積み上げた山とは、成り立ちが違います。

ポン・ヂ・アスーカルには、大きな長石の結晶が目のように見える片麻岩をはじめ、複数の岩石が分布しています。その一部の花崗岩質の岩石について、結晶化年代として測定されたのは約5億6000万年前でした。ブラジル地質調査所は、大陸が集まってゴンドワナを形成した時期の地質活動と結びつけて紹介しています。

ここで、その数字を「いまの形の山が5億6000万年前から立っていた」という意味にしてはいけません。岩石ができることと、覆っていた岩石が除かれ、現在の山の輪郭が生まれることの間には、別の歴史があります。

同じ山並みでも、削られ方は一様ではない

岩石は、すべて同じ速さで傷むわけではありません。含まれる鉱物や、その並び方、割れ目の多さによって、水の入りやすさや崩れやすさが異なります。風化は岩石をその場で変質・破砕し、侵食はその物質を取り去ります。

ポン・ヂ・アスーカルと隣のウルカの丘の間では、相対的に風化を受けやすい黒雲母片麻岩の部分に谷ができています。岩山の高さだけでなく、低くなった部分の岩石も、地形の理由を教えてくれます。

これは「花崗岩は必ず山、片麻岩は必ず谷」という分類ではありません。片麻岩どうしでも性質は違い、同じ岩石でも割れ目の条件が変わります。硬そうな岩の名前を一つ挙げるだけでは、隣り合う山と谷の配置まで説明できないのです。

風化しやすい帯が低くなると、岩山が分かれて見える
上段は性質の異なる帯を含む岩盤、下段はその帯が相対的に削られて谷となり、両側に岩山が残る模式断面。

差別侵食の考え方を説明する図で、ポン・ヂ・アスーカルとウルカの実測断面や、過去の地表の復元ではありません。隆起・剥離・複雑な岩石の分布を省略し、すべての谷が一つの岩石の帯に沿うという意味ではありません。

割れ目が水の入口となり、岩の輪郭を変える

大きな岩盤は、一枚の無傷の塊ではありません。地殻の変形などでできた割れ目は、水の入り口にもなります。そこから水が浸透し、鉱物が変質して岩石の結びつきが弱まれば、表面から見えない場所でも風化は進むのです。

ティジュカ山地を調べた2015年の研究は、片麻岩の組織に沿って水が入り、深い風化層ができる過程を検討しています。地表の輪郭だけでなく、表土の下の岩盤の性質も、谷が広がる方向や岩の露出に関わります。

一方、露出した岩壁では、表面に沿う割れ目から岩片が離れることもあります。地質調査所はポン・ヂ・アスーカルの斜面に、こうした剥離や、その結果として麓にたまった岩塊を記載しています。丸い形は、海の波だけが磨いてつくったものではありません。

一本の峰ではなく、谷に分けられた山地

観光写真では一つの岩山が主役になりますが、リオには複数の山塊と谷が並びます。ティジュカ山地にも、森林に覆われた斜面、露出した岩壁、川に沿う谷があり、巨大な一枚岩だけで全体が構成されているわけではありません。

衛星由来の標高データを使った研究では、峰の高さだけでなく、谷底の高さや谷の幅を比較できます。山頂の線をつないだ面と、谷底の線をつないだ面の差からは、山地がどれほど深く刻まれているかを検討できます。ただし、そこから復元した面を、そのまま実在した過去の地表と断定はできません。

リオの岩山を理解するには、目立つ峰だけでなく、削られて失われた部分も含める必要があります。現在の谷の広がりは、山が孤立して見える理由の一部なのです。

湾と海岸の低地が強める、岩山の存在感

リオの主要な市街地は、グアナバラ湾の西側や、大西洋に面する海岸の低地へ広がってきました。そのすぐ隣に山塊があるため、街から見た岩壁の高さが際立ちます。山頂の標高が同じでも、高原の上にある山とは、足元からの高低差が違うのです。

市街地を横へ広げようとしても、山塊をそのまま越えることはできません。道路は谷や山裾をたどり、離れた低地どうしはトンネルなどで結ばれています。海岸線だけでなく、岩山の配置も街の形を制約しているのです。

地下でできた岩石、異なる速さで進んだ風化と侵食、山塊の間に残る低地。その上へ都市が広がった結果が、リオの景観です。急な岩山は街の外にある背景ではなく、街区のつながり方まで決める、都市の内部の地形でもあります。

参考資料

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