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ハワイの島はなぜ北西へ行くほど古くなるのか ホットスポットと動くプレート

公開日

ハワイ諸島を南東から北西へたどると、活発な火山を持つハワイ島から、深い谷に刻まれた島々へと景観が変わります。カウアイ島などの火山は、ハワイ島の火山より古い時代に大きく成長しました。島の並びには、位置だけでなく時間の順序もあるのです。

基本となるのは、地下のマグマ供給域に対して、太平洋プレートが北西へ移動する仕組みです。古い火山を載せたプレートが供給域から離れる一方、その南東側では次の火山が成長し、北西側ほど主な形成時期が古い列が残りました。ただし、島の年齢と、島で最後に噴火した時期は同じではありません。

プレートの境界ではなく、内部で育つハワイの火山

日本列島の火山は、海洋プレートが沈み込む場所と深く関わっています。しかし、ハワイは太平洋プレートの内部にあり、島のすぐ脇で別のプレートが沈み込んでいるわけではありません。

ハワイの下では、マントルの高温の物質が上昇するプルームと、それに伴う岩石の部分的な融解がマグマの供給を支えています。このように、プレート境界とは別に長く火山活動が続く場所が、ホットスポットです。

マントル全体が液体の海で、そこから穴を通して溶岩が噴き出す、という構造ではありません。マントルは大部分が固体の岩石であり、長い時間では流動します。条件が整った部分で生じたマグマが、上方へ移動して火山を成長させるのです。

動く太平洋プレートが残す、古い火山から新しい火山への列

まず、マグマが供給されやすい場所の上で、一つの海底火山が育つと考えてみましょう。噴火で積み重なる岩石は海底から山をつくり、十分に高くなれば海面を越えて島になります。

その間もプレートは止まりません。火山を載せた岩石の層が北西へ運ばれるため、古い火山はマグマの主要な供給域から次第に離れます。代わって南東側で新しい火山が育てば、同じ活動域を通った順序が列として残るわけです。

同じ供給域の上を、別の場所のプレートが通過する仕組み
上下二つの時点を比較した断面模式図。上段で供給域の上にある火山Aが、下段ではプレートとともに北西へ移動し、供給域の上では新しい火山が育つ。

年齢の並びを説明する基本モデルです。供給域を固定して描き、地下の複雑な形、供給域自体の移動、火山活動の重なりや再生期は省略しています。海の深さ、火山の高さ、距離や時間は比例せず、実在する二つの島の測量断面ではありません。

ただし、島が一つ完成してから次の島の建設が始まるわけではありません。複数の火山が、時期を重ねながら成長します。ハワイ島も一個の火山ではなく、マウナロアやキラウエアなど、複数の火山が重なってできた陸地です。

「北西ほど古い」という関係は、火山の主な成長段階を比べたときに最もはっきりします。カウアイ島の主要な火山活動は数百万年前にさかのぼる一方、南東端のハワイ島では今も火山の成長が続いています。

溶岩の放射年代が示す、島々の形成順序

古い島ほど削られているように見える、という印象だけで年代が決められたわけではありません。溶岩の年代を調べる放射年代測定が、島々の順序を裏付けてきました。

たとえば、岩石中の放射性カリウムの一部は、一定の割合でアルゴンへ変わります。いわば、時間の経過に伴って減るものと増えるものの組み合わせ。両者の量を調べることで、岩石が固まってからの時間を推定できるのです。

もちろん、地表で拾った岩を一つ測れば、島全体の誕生日が出るわけではありません。上部の新しい溶岩の下に古い岩石が隠れ、最初の成長段階は海底にある場合もあります。複数の場所の年代、地層の重なり、岩石の性質を組み合わせて、火山の成長史を復元します。

したがって、一つの島に複数の年代があるのは、測定が失敗しているからとは限りません。長期間、何度も噴火して育った山なら、それぞれの岩が異なる時点を記録していて当然です。

古い島にも若い火口がある、再び始まる火山活動

ワイキキの東にあるダイヤモンドヘッドは、オアフ島の主要な山体ができた時期よりも、ずっと後の噴火で生まれました。古い島の上に、比較的新しい火口が載っている例です。

ハワイの火山では、山体の大半をつくる盛んな活動が衰え、長い休止や侵食の時期を挟んだあと、小規模な噴火が再び起きる場合があります。こうした段階は再生期などと呼ばれます。すべての火山が同じ経過をたどるわけではありません。

これは、プレートが逆戻りして古い島をホットスポットの真上へ戻した、という意味ではありません。主な成長段階を過ぎても、量や性質の異なるマグマによる活動が起こりうるのです。最も若い噴出物だけを比べると、島全体の形成順序は単純には並びません。

ハワイの年代を理解するときに必要なのは、「古い島には新しい岩が一切ない」という想定を捨てることです。大きな火山をつくった時間と、その後に小さな火口ができた時間は、両立します。

海面の上で終わらない、火山列の新旧

北西へ進むほど、かつての火山は侵食や沈降を受け、地表に見える山体が小さくなっていきます。波や川、斜面の崩壊によって削られるうえ、火山自身の重みも下のプレートをたわませる要因です。島の高さは、噴火で積み上がる量だけでは決まりません。

海面から火山の山頂が消えても、海底の山まで消滅するわけではありません。ハワイ諸島の延長には、海山や平らな頂部を持つギヨーが続き、さらに北側の天皇海山列へつながります。普段の地図で島として見える部分は、この長大な火山列の一部です。

反対に、まだ島になっていない若い火山もあります。ハワイ島の南の海底で成長するカマエフアカナロアは、以前ロイヒと呼ばれていた火山です。2021年に名称が変更されました。

その山頂は海面下およそ1000メートルにあり、将来いつ海面を越えるかは確定していません。これから積み上がる溶岩の量や速さなどに左右されるためです。「次のハワイ島」がすでに日付の決まった予定として待っているわけではありません。

完全に固定した熱源では説明しきれない、海山列の曲がり

ホットスポットをほぼ固定し、その上をプレートが動く図は、島々の年齢順をつかむうえで役立ちます。ただし、数千万年以上の歴史まで、地下の供給源が一度も動かなかったと決めつけることはできません。

ハワイの火山列から天皇海山列へ向かう途中には、大きな曲がりがあります。その形成をめぐっては、太平洋プレートの移動方向の変化と、マントル内部の流れに伴うホットスポット側の移動が、どの程度ずつ関わったか研究が続いています。

2024年の『Nature Communications』掲載研究では、プレートの運動だけでなく、上昇する高温物質とプレートや海嶺との相互作用を組み込んだ数値モデルが検討されました。島や海山の位置に加え、岩石の年代や過去の緯度も説明できるかが問われています。

北西ほど主な形成時期が古くなるという大きな規則は、こうした研究によって消えるものではありません。むしろ、島々が記録した時間と位置を詳しく比べることで、地表のプレートだけでなく、その下で動くマントルの姿にも迫れるのです。

参考資料

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