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クレーター湖は川が流れ込まないのにどこから水が来るのか 雨・雪・地下へ抜ける水

公開日

米国オレゴン州のクレーター湖には、周囲の広い流域から水を集めて注ぐ大きな川がありません。それでも深い湖を満たしているのは、雨と雪です。湖面へ直接降る水に加え、湖を囲むカルデラの内側へ降った水も集まります。

では、雨が降り続ければ、いつか縁からあふれるのでしょうか。ここには目立つ流出河川がない一方、蒸発と地下への浸透という出口があります。湖面の高さは、入る水と出る水の釣り合いで決まるのです。

マザマ山の陥没がつくった、深い器

クレーター湖があるのは、約7700年前の大噴火に伴ってマザマ山が陥没したカルデラです。単に山頂が爆発で吹き飛んだ穴というより、地下のマグマが大量に失われ、上の山体が沈み込んでできた大きなくぼみと考える方が適切でしょう。

その後、降水がくぼみにたまって湖になりました。湖を囲む高い縁は、水を集める範囲の境界でもあります。外側の斜面に降った雨は基本的に外へ、内側の斜面に降った雨や融雪水は湖へ向かうため、周囲の山地すべてが湖の水源になるわけではありません。

降った雪の厚さと、水になった量の違い

山地の雪は、斜面にいったん積もり、暖かい季節になってから湖へ水を送ります。降雪と湖への供給には、季節をまたぐ時間差があるわけです。冬に降った水の一部は、春まで山肌に蓄えられたまま。その融け方も、湖の水位が変わる時期を左右します。

雪の深さを、そのまま水の深さへ置き換えることはできません。雪には空気が多く含まれ、積もった後にも圧縮が進みます。雨と雪を合わせて湖の水収支を計算する際には、雪を融かしたらどれだけの水になるかという量にそろえる必要があるのです。

カルデラの内側に降った水と、目に見えない出口
外側の流域から川は入らず、湖面と内壁に降る雨雪が湖を補う。湖からは蒸発と地下への浸透で水が出る。

流入・流出の関係を示す模式断面で、矢印の太さは水量ではありません。浸透は多数の隙間を通る流れをまとめたもので、一本の地下川を描いたものではありません。

流れ出す川がなくても、地下には出口

湖の縁は、水を完全に封じ込める容器ではありません。国立公園局は、北岸側の水を通しやすい岩層から水が浸透していると説明しています。地表に川が見えないことと、水が外へ出ていないことは別です。

蒸発も出口の一つですが、それだけで収支が閉じるわけではありません。湖面へ入る量、カルデラ壁から集まる量、蒸発量、浸透量の差が、貯まる水の増減になります。湖の水位の記録は、見えない流出を推定する手掛かりにもなるのです。

満水まで上がらず、一定の範囲で揺れる水位

水位は完全に固定されているわけではなく、降水や融雪、蒸発の変化に応じて上下します。それでもカルデラの縁まで水が満ちないのは、途中の高さから地下へ逃げる水と蒸発が、長期的な流入を受け止めているためです。

ここで「バランス」とは、毎日同じ量が出入りするという意味ではありません。雪が多い年には蓄えが増え、乾燥した時期には減ることもあります。短期的な変動を含みながら、長い期間では湖を維持する水収支が成り立っています。

川が運ぶ濁りの少なさと、深い青

流入河川が乏しいことは、水の色にも関係します。外の大きな流域から泥や土砂が大量に運び込まれにくく、湖水の透明さを支える条件になるからです。ただし、湖の中に生物や溶けた物質がないということではありません。

深い青を空の映り込みだけで説明するのも不十分でしょう。水は光の色によって吸収の仕方が異なり、赤い光は失われやすく、青い光が目へ戻りやすくなります。深さ、透明さ、光の働きが重なった色であり、カルデラにたまった雨と雪の行方が、その見た目にも表れているのです。

参考資料

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